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2011年9月16日 みなと新聞より

被害甚大も優先復旧で機能回復
阿部長商店大船渡食品 サバ、サンマなど鮮魚出荷も再開

 阿部長商店(本社・気仙沼市、阿部泰浩社長)の「大船渡食品」は震災復旧が進み、一部冷蔵庫などの復旧を残すものの、生鮮から冷凍、加工、冷蔵保管まで、ほぼ震災前に近い機能まで回復させている。1日200トン以上を処理できる大型の生鮮・冷凍ライン、東北最大級の冷蔵庫を有する水産の総合的機能を持つ工場で、同社の復興に向け拠点的役割を果たすとともに、大船渡の水産復興にも大きな力となりそうだ。

同社は気仙沼や石巻、南三陸、大船渡にそれぞれ出荷や加工、冷蔵保管などの施設があったが、南三陸工場を除き、津波で壊滅的な被害を受けた。大船渡食品は1階の生鮮ラインや冷蔵庫などが大きく損壊・流失したが、2階の加工施設は大きな被害を免れた。気仙沼は建築制限がかかっていたこともあったが、「優先順位をつけて集中的に復旧作業を行っていく」(阿部社長)ことを重視、大船渡食品の復旧を最優先に取り組んだ。
急ピッチで復旧作業を進め、7月には2階の加工場が稼動し、8月下旬には生鮮ラインが復旧し、現在、地元で水揚げされるサバやサンマ、イナダなどを出荷している。凍結庫(30トン×5部屋)を有し昨年まで冷凍が主体だったが、鮮魚は主力だった気仙沼の工場が被災で稼動できない状況のため、大船渡食品が同社の生鮮事業を一手に担っている。大船渡をはじめ県内各産地、気仙沼などから集荷し、日量100トンを処理できるまでに回復。阿部社長は「今月末には200トンペースまでもっていきたい」と意欲をみせる。
 7月から再開している加工は20日から全国販売する「気仙沼ふかひれ濃縮スープ」や、サンマ、サバなど煮魚のレトルト商品、サンマの竜田揚げのほか、同社の看板商品「あぶりさんま」の製造も再開。同社加工部門の「マーメイド食品」の機能を補完している。
 また、東北最大級の庫腹量1万3100トンの冷蔵庫は2部屋(約4400トン)が完全復旧し、残りも9月末までに復旧し、10月から冷やし込みを始める予定。1階の事務所も復旧中で、事務所も含めた全面復旧は10月20日になる見通しだ。