ニュース

2011年11月10日 日本経済新聞東北版

小売へ直販強化 阿部長、東京に営業拠点

 水産加工の阿部長商店(宮城県気仙沼市、阿部泰浩社長)は小売店への直接販売を強化する。東京都内に営業拠点を新設し、首都圏の小売店への営業を始めた。新たに気仙沼名物のフカヒレを使ったレトルトスープも開発した。これまでは市場や卸を通じた販売が大半だったが、直販比率を高めることで、消費動向を的確に把握し、効果的な商品開発などにつなげたい考えだ。
 東京都江東区内に拠点を設けた。都による被災企業向け支援事業の一環として、無料で事務所スペースを借りた。社員数人が常駐し、スーパーや百貨店などに営業する。企業や学校も訪問し、気仙沼への視察、修学旅行の需要も開拓。気仙沼と南三陸町の直営ホテルの宿泊客の増加にもつなげたい考えだ。
 同社は生鮮に近い水産加工品が主力商品。直販強化に向けて新たに「気仙沼ふかひれ濃縮スープ(広東風、四川風)」と「気仙沼チャウダー」の3種類を開発した。東日本大震災後に水産加工部門と直営ホテルのシェフが協力して作り上げた。
 1袋の店頭価格は400円前後。岩手県大船渡市の工場で月産20万パックを生産する。関東地方のイトーヨーカ堂の店舗で販売を始めた。
 同社は東北有数の水産加工会社で、2010年度の連結売上高は200億円。震災による津波で工場が被害を受けたが、10月からは大船渡市の工場が本格稼動している。