ニュース

2012年12月12日 水産経済新聞

気仙沼市有地払い下げ 阿部長商店が用地確保
水産流通 加工 保管機能 1か所に集約、建設へ

 阿部長商店(阿部泰浩社長)は、気仙沼市内に点在し、東日本大震災で被災した水産食品製造、出荷、冷凍・保管施設を、1か所に集約して建設し復興を目指そうと、南気仙沼地区の水産加工施設等集積区域内の1・85ヘクタールを気仙沼市から払い下げを受け取得した。
 同社が確保した土地は、同集積区域(漁港区域拡大地域)内の気仙沼市中央公民館や南運動公園などがあった私有地。同市は水産加工業の早期復旧と集積を図り、雇用の創出による同市の復興を一日も早く達成したいと、同商店に売却を決めた。
 同市はこれに先立ち、 141社に対し同区域への立地希望を調査したところ、同場所に手を挙げたのは阿部長商店だけだったことから、11月9日に開かれた気仙沼市議会臨時会に財産処分議案を提出、可決され、同社への払い下げが決まった。
 水産加工業の集積事業を進めるため、南気仙沼地区の漁港区域拡大について、気仙沼市は宮城県を通じて国に申請。今年6月4日、農林水産大臣の認可を受けることができたもので、同拡大区域内の市有地の払い下げは今回がはじめて。
 同社は、昨年3月の東日本大震災の津波で気仙沼市内の拠点工場である川口町の気仙沼工場・冷蔵庫、生鮮出荷を主体とした鰹センター、刺身用などの商品を生産する鮪センターなど、ほとんどを失うという被害を受けた。
 同社は、可能な限り早い復興を目指したものの、施設を建設する用地の確保が遅れ、1年半以上が経過してようやく失った流通加工機能を1か所に集約して建設できる広さの用地が取得できたもの。
 阿部社長は、「地盤沈下した土地のかさ上げ工事が終わり次第、平成25年初めには施設の建設工事に着手し、来年中に事業を復興させたい」と話しており、新施設が完成すると新たな雇用も含め、100人を超す陣容で気仙沼の復興に向けた事業を展開する方針。