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2014年10月20日 みなと新聞

超低温冷蔵庫が本格稼働 地域水産業復興をけん引

 南気仙沼水産加工事業協同組合(阿部泰児理事長)が宮城県気仙沼市弁天町に建設していた超低温冷蔵庫(5000トン)がこのほど竣工、本格稼働をはじめた。かさ上げ工事が完了し、本格的な復興工事が始まった南気仙沼地区の水産加工団地の一画に位置し、超低温冷蔵庫としては気仙沼地区で最大級の規模を誇る。マグロやカツオをメーンに、組合員が原料や製品保管に活用していく。気仙沼の受け入れ態勢を支え水揚げ増に貢献するとともに、気仙沼魚市場が力を入れている(気仙沼港所属の)遠洋マグロ延縄船の母港水揚げを促進する役割も担う。組合員のみならず、地域水産業の復興をけん引する施設として、機能発揮に期待が高まる。
 南気仙沼水産加工事業協同組合は、震災後の2012年8月に設立した。同年6月、新たに漁港区域に拡大し、水産加工施設の集積地として整備されることが決まった南気仙沼地区の早期復興を目指して、阿部長商店が中心になり、地元水産関連事業者の有志で立ち上げたもの。
 同組合は国や県などの補助事業を活用し、かさ上げ工事の進捗状況に合わせ、水産加工業に欠かせない保管設備(超低温冷蔵庫)や給排水設備、共同作業場兼倉庫の一体的整備を進めてきた。完成した超低温冷蔵庫を除く施設も年内に竣工する予定だ。
 超低温冷蔵庫は昨年6月に着工、今年7月末に完成した。建築はクマケー建設、冷凍機・防熱工事はヤマダ技研が担当した。敷地面積は2701平方メートル、延べ床面積3868平方メートルで、鉄骨造り3階建て。1階と3階が冷蔵室で、中2階が機械室となっている。冷蔵庫の収容能力は5000トン(マイナス55度)で、1階は原料、3階は製品保管に活用する。超低温庫としては、気仙沼で最大の施設となる。
 冷蔵庫は1、3階とも入り口は1カ所で、前室の正面が一時保管場で、左右に1室ずつ保管庫を備える。原料や製品を入庫する際、一次保管場で製品温度をある程度下げることで、保管室の温度変化を極力少なくするという。庫内の冷却は天井ヘアピンコイル式を採用。天井の配管に冷媒を通して庫内を冷やすため、庫内の温度変化が小さく、冷風が直接当たらず、乾燥や色あせ、冷凍焼けなども防ぐ。また、入出庫を行うドックシェルターは4基設け、直結する荷さばき所は常時15度以下の低温で管理する。
 8月から冷やし込みをは始め、稼働したのは9月下旬。今月8日、組合員のカネシメイチ所有の第28亀洋丸が気仙沼に水揚げし、阿部長商店が全量買い付けた船凍カツオ110トンから本格的な入庫がはじまった。
 年内には超低温冷蔵庫に続き、給排水設備や共同作業場兼倉庫が完成する。同組合は「一日も早く軌道に乗せ、組合員の事業再開を後押しする基盤をつくっていきたい」と話す。また、今後は超低温冷蔵庫などの施設管理を行う業務はもちろん、組合員の経費削減を図るための共同購入事業にも取り組んでいく方針だ。阿部泰児理事長は「組合員、そして地域のために力を尽くすべく、組合事業をさらに発展させていきたい」と意欲を見せる。

(以下略)